ファシリテーター:ネーミングを考えようWS

 市民活動でこれから設立する団体の「団体名を考えよう」ワークショップのファシリテーターを務めました。このプログラムは、「才能をひらく編集工学」(安藤昭子/ディスカバー・トゥエンティワン)と、2023年秋にイシス編集学校の「守」コースを受講した内容を元に考え実践しました。

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 集まったのは、「子ども」の支援、子どもの保育、教育、育ちの場に関わる組織に関わる方たち16人です。子どもに関わる人や組織を支援する、中間支援団体をつくるにあたって、団体名をアイディアを膨らませ、楽しく考えるというのが場の目的でした。

 最初に、

 新しいアイディアは、「ものすごいクリエイティブな人」だけが考えられるものではなく、誰もが言葉の世界から言葉を見つけ考え出せる。「編集」という方法を使えば、「自分の周りの世界を柔らかくして、多面的にものごとを捉える」ことをお伝えしました。

 発想の準備運動として、自己紹介は、自分を文房具に例える自己紹介。フリクションに例えて、フリクションの太さへの愛を語り盛り上がるグループの姿も見られました。

 「何かに例える」それだけで、その人の違う側面が見えてくる・・

 ここには編集が働いている、誰もが「編集」することはできる。

 ネーミングを考えるプロセスの最初には、いきなりネーミングを考えるんじゃなく「連想の地図」をみんなでつくることを提案。

 エクササイズの最初は、「地」と「図」のワーク(P214「才能をひらく編集工学」)

 どんな情報も「地(ground)」と「図(figure)」に分けてみることができます。「地」は情報の背景にあたるもの、「図」は認識されている情報の図柄。

 

まずは、情報を「地」と「図」に分けて認識する。これだけでも、一見入り組んだ情報世界を認識するのに大いに助けになります。その上で、「地」を動かすことで「図」がガラリと様相を変えることを認識します。これは「発想力」やものの見方の柔軟性に直接関わることです。

 コップを例に、地を部屋、美術室、恋人、砂場にするとどんな言い換えになるかを聞いていきました。その後、「子ども」の地を考え、「図」を考えました。

 ある人は宇宙を地にすると、子どもは「星」になると付箋に書きました。他のチームのある人は「宇宙」を地にすると「レアな地球人」と付箋に書いています。同じ宇宙でも、表現が違うのが面白い!どんな言葉を出すかということに、自分の価値観や自分の思考のパターンが現れてきます。そこに優劣はなく、それがその人らしさなのです。

 次は、「子ども」か、子どもがいる環境」をイメージして、「要素・らしさ・機能」をそれぞれ出してみる。 「要素」は辞書に書かれるようなこと、プロフィールにあたります。「機能」はそのものの働き、役割。らしさは、それっぽい、雰囲気、印象。要素と機能は重なるところもあり、「難しい〜」という印象もありますが、まずは考えるための切り口なので、正しさはあんまり考えずにぽんぽんと出してもらいました!

 

 

 テーブルの上の模造紙を眺めて、追加で言葉も出していき、「連想の地図」を見て、ネーミングを考えるシンキングタイム。考えたことを共有する中でアイディアが深まっていく様子が見られました。グループごとの推しを決めて、最後に発表。

 中間支援組織の感じを、「仲」仲介する、つなぐと、「環」色相環とイメージを膨らませ、「仲環」支援組織としたグループ。イメージが膨らんでる・・!

 「バンブールーツ」タケノコって、根っこでつながっている。根っこはルーツ、ルーツは道という意味もある・・「DAIBEN」子どもの声を「代弁」するのと、子どもが大好きな大便・・!を掛け合わせた案。ユーモアもありながら、どんなふうに社会や人、子どもに関わっていくのか、存在するのかが見えてくる言葉が並びました。ネーミングを考えることはWSの目的ではありましたが、「子ども」についての人それぞれの見方、立つ位置から見える風景を共有する、対話が生まれるような場でもあったと思いました。

 ↑この対話の価値をみんなで最後に分かち合う時間があるとよかったな〜〜と反省。また、ワークは、難しい内容もあり、もう少し丁寧にプロセスを踏む必要があったと思います。

 参加された方々は今まで一緒にプロジェクトに取り組んだり、関わる時間ももってきたからか、「こんなこと言っても大丈夫」という安心感とユーモアをもって考えるベースがあり、一人一人によってつくられる場の力を感じました。

 ご参加いただいたみなさんありがとうございました!